64年ぶりの快挙だ。日本ダービーは27日、東京競馬場で行われ、四位洋文(34)騎乗のウオッカが直線豪快に差し切って優勝した。牝馬によるダービー制覇は43年クリフジ以来史上3頭目。大波乱の続く今春のG1を象徴するように3連単は215万馬券となった。
競馬の歴史を変えるVゴールに全身が震えている。「最高です。もう騎手をやめてもいい」。四位には他に言葉がなかった。ウイニングランを終えたウオッカを新スタンドから観戦した皇太子さまと安倍首相の前で止め、馬上でヘルメットを取り深々と頭を下げる。その瞬間、13万大観衆から地鳴りのような拍手がわき起こった。37年ヒサトモ、43年クリフジ以来64年ぶりとなる牝馬のダービー制覇。誰もが、そのケタ違いの強さに酔いしれた。3連単215万5760円。クラシック最高配当がアナウンスされるとスタンドはもう一度揺れた。
何という強さだろう。中団よりやや後ろを追走、直線で馬群の真ん中から抜け出すとあとは独り舞台。残り100メートルで先頭に立ち、ダービー史上最速となる上がり3F33秒0の瞬発力で牡馬を3馬身突き放した。2着アサクサキングスの福永騎手は「ウオッカが、もしオークスに回っていたら僕がダービーを勝ったことになるが、その代わりオークス(ローブデコルテ騎乗)は勝てなかった」と脱帽するしかない。四位の目からは大粒の涙があふれている。「男馬と思って乗ったんだ。4角の手応えがあまりによかったから、いい勝負になると思った。桜花賞で悔しい負け方をしているのでその借りも返したかった」
桜花賞で2着に敗れた牝馬のダービー出走は無謀と言われた。それでも、角居師はオークスに最終登録せずダービー一本に絞った。「能力さえ出しきればいい勝負になると思っていた」。96年ビワハイジ(13着)以来となる牝馬のダービー挑戦。爆発力のある末脚は牡馬にも通じると確信した同師の英断だった。2歳時には谷水雄三オーナーの指示で同世代の牝馬としてはただ1頭ダービーに予備登録。牡馬顔負けの馬体、雄大なフットワーク…昨秋のデビュー時から素質は際立っていた。
装蹄を担当したのはディープインパクトでおなじみの西内荘氏。桜花賞までのフラットな蹄鉄からスパイク鉄に変えた。スパイク鉄は脚への衝撃が大きいが「(体が)たいぶしっかりしてきたし、ここ一番で使わなかったら後悔する」(西内氏)と装着に踏み切った。[スポニチ]
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